3Dプリンターの素材と聞くと、一般的に思い浮かべるのは樹脂や金属ですよね。でも実は最近、木の素材に対応したプリンターも登場してきてるんです。
そうなると気になるのは材料費や対応プリンターではないでしょうか?この記事では木材を材料にした3Dプリンティングの概要と、材料費や対応3Dプリンターについて解説したいと思います。
1.3Dプリンターで木材も材料に使える!?
家庭用3Dプリンターでは樹脂が使われるのが一般的ですが、使える素材のバリエーションは増えていて、今では木材も素材として使えるようになっています。ただ3Dプリンターで木材加工と言っても、製材所が行っているように木材を切ったり研磨したりかんながけするわけではありません。また使う木材もホームセンターで見かけるような木材とは違います。
使うのはABSやPLAなどの樹脂フィラメントのように、リールに巻き付けてあるタイプの木質フィラメントです。Amazonなどで1kg単位で販売されていて、樹脂フィラメントのように1.75㎜径サイズでも売られています。
木質フィラメントの特長
木質フィラメントは見た目が木材のような質感をしているのが特徴で、触感もいくぶん柔らかいものがあります。例えばオランダのフィラメントメーカーである「ColorFabb」が開発した「woodFill」というフィラメントは、70%のPLA樹脂と30%の木材チップをミックスしたものですが、PLAオンリーのものよりも質感は柔らかく、木目調も出る素材として有名です。
WoodFillと革を使った3Dプリントシューズの画像:https://3dprint.com/7477/3d-print-wood-shoes/
木材の含有率はフィラメントによって異なりますが、3Dプリンティングする際に木材が焼けるため、プリンターの温度調整によっては造形物の色合いをいろいろ変えることもできます。木材の優しい感じが好きだという場合にはうれしい特徴ですよね。
2.木素材の材料費はどれくらい?
気になる木質フィラメントの材料費ですが、価格情報を参考に値段を見てみましょう。
・colorFabb WOODFILL(600g)
税込6,000円
素材:木材繊維30%
販売サイト:Amazon
・Raise3D合成木質フィラメント(1kg)
価格:税別7,500円
素材:竹60%
販売サイト:ファブマート
・PolyWood PLA(木質)フィラメント
価格: 税込7,929円
素材:100%PLA樹脂(木材は使われていません。PLA樹脂で木材と同様の構造を再現したフィラメントです)
販売サイト:i-MAKER
ABSやPLA樹脂と比較すると材料費は高めになっているのが分かります。ただ独特の質感が出るので、こだわりの造形物を製作したい時には使いたくなりますね。
3 .対応3Dプリンターはこれ!
木質フィラメントに対応している3Dプリンターをいくつかご紹介しましょう。
参照元:参次元工房
・Raise3D N1
上で紹介したRaise3D合成木質フィラメントが使える3Dプリンターです。価格は40万円近くするので家庭用としては高価ですが、積層ピッチが0.01〜0.75ミリと非常に精密にでき、T-ABS、PETG、PTG(高透明)、Polyflex(ゴム系)、カーボン、木質など7種類以上ののフィラメントを使えます。
参照元:株式会社サンステラ
・Tiertime UP300
こちらも35万円ほどする高級3Dプリンターです。基本のABS樹脂、PLA樹脂はもちろん、木質樹脂とスマホケースなどでよく使われるTPUなどに対応していて、素材ごとに専用ノズルが用意されているのがうれしい点です。積層ピッチは最小0.05mmで、3Dプリンタービギナーでも使いやすいソフトフェアもついています。
高級な機種ばかり紹介しましたが、もし「手が届かない」ということであれば、上で紹介した「PolyWood PLA」などのPLA素材対応の安めのプリンタを使うこともできます。本物の木質ではありませんが、木材の雰囲気を味わいたいという場合はおすすめです。
4.まとめ
今や3Dプリンターで使える素材は増えてきています。今後新しい素材が次々と開発されて、造形物を製作する楽しみも拡がったらうれしいですね。
家庭用の安価な3Dプリンターではまだまだ対応できる素材が限られていますが、すでに価格破壊で3Dプリンター本体の値段がかなり下がってきているので、今後木質フィラメントや金属などに対応したプリンタがリーズナブルに手に入る可能性は高いです。