初めての3Dプリンター選び

初めての3Dプリンター選びでチェックすべき4ポイントはこれ!

最近話題のガジェットアイテムと言うと、「3Dプリンター」をイメージする方は多いのではないでしょうか?服や車、さらには家までも3Dプリンターで作ったというニュースも飛び交うほど、いまや3Dプリンターは超人気アイテムになっています。

「3Dプリンターを使っていろいろ作ってみたい」と夢を膨らませている方もきっとたくさんいらっしゃいますよね。でも初めて購入する場合はどの製品を選んだら良いのかなかなか分からないもの。家庭用の製品はそれほど高くないとはいえ、安くもない買い物だから失敗したくはありません。

そこでこの記事では、「これだけはチェックしておきたい!」というポイントを4つご紹介したいと思います。

1.3Dプリンターの選び方:造形方式で選ぶ

3Dプリンターの選び方:造形方式で選ぶ

3DプリンターA4の紙に文字を印刷する一般のプリンターとは全く違うものです。おおまかに説明すると、3Dデータをもとにして、スライスした平面の素材の層を積み重ねていくことで立体的なものを作るプリンターです。イメージ的には、ミルフィーユやクロワッサンのように薄い生地を何枚も重ねて作るような感じです。

3Dプリンターの造形方式には5種類ある

とはいえ3Dプリンターの造形方式は1種類だけではありません。以下のような様々な造形方式があります。

・熱溶解積層方式(FDM法)
「ABS樹脂」や「PLA樹脂」「ナイロン樹脂」など熱で溶ける樹脂を使う。樹脂を溶かして1層ごとに積み重ねていく方法。ほとんどの家庭用プリンターがこの造形方式を採用しています。断面が目立つというデメリットがありますが、簡単にできるのでビギナーや趣味での利用に適しています。

・光造形方式(STL法)
光造形方式は光で硬くなる性質を持った液体樹脂を使います(「エポキシ系樹脂」「アクリル系樹脂」など)。表面がなめらかに仕上がるので、複雑なものを作る場合や質にこだわりたい場合におすすめです。

・インクジェット方式
液体樹脂を吹き付けて立体物をつくるタイプです。吹き付けてから紫外線をあてることで素材を硬化させます。素材としては「アクリル」「ポリプロピレンライク」「PPライク」「ラバーライク」「ABSライク」などがあります。スピーディーでなめらかな仕上がりになるのが特長です。

・粉末焼結方式(SLS法)
素材に金属も使える唯一の造形方式で、「頑丈なものを作りたい」という場合におすすめのタイプです。名前の通り粉末状の樹脂を焼いて固める方法です。金属以外にも「セラミック」「ナイロン樹脂」「エストラマー」「ポリプロピレン」などが使えます。

・粉末積層方式(粉末固着式積層法)
安い粉末を樹脂で接着するタイプです。「でんぷんベースパウダー」「セラミックベースパウダー」「石膏ベースパウダー」「プラスチックライクパウダー」などが素材になります。このタイプのメリットはカラーでプリントできること、そして材料コストが安いことです。耐久性が微妙ですが、フィギアなど色付きの立体物を作りたい場合におすすめです。

このように3Dプリンターと一言で言っても様々な造形タイプがあるので、自分が作りたいものによりマッチした特徴を持つ3Dプリンターを選ぶことが大事です。

2.3Dプリンターの選び方:造形サイズで選ぶ

3Dプリンターの選び方:造形方式で選ぶ

3Dプリンター製品にはたくさんの種類があって、小さな車の部品から、サイズの大きいフィギアまで作れるものなどたくさんあります。しかしすべて同じ大きさで造形してくれるわけではありません。製品によっては比較的コンパクトなものしか作れないものもあります。

せっかく買ったのに「ミニサイズしかできない」というのでは残念ですよね。そのため購入する時には、作りたいものをよく考えたうえで、そのサイズで造形可能な3Dプリンターを選ぶのが大切です。

一般的には「140mm×140mm×140mm」というサイズのプリンターが最も流通していますが、家庭用3Dプリンターの中には、「270mm×230mm×200mm」という大サイズ対応のものもあります。

大サイズ対応の3Dプリンターの注意点

大きいサイズの造形ができる製品は便利ですが、大きいものを作る場合にはいくつかの注意点があります。以下のような点に気を付けましょう。

・大きいとゆがみや反りが出やすい
サイズの大きな立体物を作ると、造形途中でゆがんだり反ったりすることがあります。「とにかく精度にこだわりたい」という場合は、あらかじめ商品レビューなどを見て利用者の感想をチェックすると良いです。場合によっては1回で全体を作るのではなく、小さなパーツに分ける必要が出てくる可能性もあります。

・動作停止などがあると無駄になる
何らかの原因でプリンターの動作がストップしてしまうと作り直しになります。そうすると素材が無駄になってしまうかもしれません。材料費が高いと出費がかさんでしまいます。

3 .3Dプリンターの選び方:素材で選ぶ

3Dプリンターの選び方:素材で選ぶ

さきほど造形方式による対応素材について説明しましたが、各素材の特長をよく知っておくことも大事です。3Dプリンターの購入を考えている方の中には、「フィギアを作りたい」「オブジェを作りたい」などの特定の用途をすでにイメージしておられる方も少なくないですよね。作りたいものにより適した素材を知ると、対応しているプリンターに絞り込むことができます。

3Dプリンター素材の特長

代表的な素材とその特徴は以下の通りです。

・ABS樹脂
電化製品でよく使われます。塗装することもできて、衝撃にも強いのが特長です。プラモデルやフィギアのパーツづくりに向いています。

・PLA樹脂
3Dプリンター初心者でも扱いやすい樹脂です。耐久性が微妙ですが、最初に扱う素材としてはおすすめです。大きいものの制作や形状確認をする用途に適しています。

・ポリプロピレン
強度があって、なおかつ柔軟性もあるという便利なプラスチックです。折り曲げることもできるので、動きのあるものを作るのに適しています。また酸やアルカリなどの薬品にも強く、ケースやカバーなどを作るのに向いています。

・アクリル樹脂
半透明の色合いが特長的です。曲げると欠けやすく、紫外線や湿気や熱にも弱いので耐久性は高くないですが、すりガラスのような半透明感が好みの場合には適しています。フィギアづくりに向いています。

・ナイロン樹脂
耐熱性や靭性(粘り強さ)に優れています。材料費が安く、インテリアやデザインアイテムを作るのに向いています。

・石膏
材料費が安いのが表面がざらっとしているのが特長です。フルカラープリントができるので、発色の良いものを作りたい時に良いでしょう(フィギアなど)。

・セラミック
セラミックは光沢のある製品を作ることができるので、食器やコップ、彫像などのオブジェづくりに良いです。耐熱性が高く防水力にも優れています。

4.3Dプリンターの選び方:機能で選ぶ

3Dプリンターの選び方:機能で選ぶ

3Dプリンターには便利な機能がいろいろと付いている製品があります。できるだけ安いものを買いたいという方も多くいらっしゃると思いますが、「最低限これだけはついているとうれしい」という機能をご紹介します。

・オート・キャリブレーション
立体物が出力される台座を水平に調節してくれる機能です。これがあることで設計通りに造形する精度があがります。マニュアル調節できるものもありますが、自動的にやってくれるオートタイプがおすすめです。

・操作モニター
プリンター本体にモニターがついていると、パソコンで操作する必要がありません。パソコンがフリーズするなど不具合が出てもプリンターを動かせるので便利です。

・無料のモデリングソフトの対応数が多い
3Dプリンターは3Dデータをもとにして造形します。3Dデータをつくることをモデリングと呼びますが、モデリングソフトには様々な種類があり、無料のものもあります。できるだけ多くのモデリングソフトに対応している方が操作性が高くなります。

・他社性のフィラメントが使える
フィラメントは3Dプリンターの素材をまとめたもので、紙のプリンターでいうところのインクのようなものです。製品の中には自社製フィラメントしか使えないようにしているものもあり、それだとコスパが悪くなる場合があります。やはりできるだけ材料費は安くしたいですよね。そのため他社のフィラメントが使える製品を選べる方が良いでしょう。もちろん純正フィラメントが安いならこの限りではありません。

5.まとめ

3Dプリンターを初めて購入する場合のチェックポイントを4つ見てみました。3Dプリンター製品にはたくさんの種類があるので、最初はどれを選ぼうか迷ってしまう方も多いですよね。

でも紹介したポイントを一通り意識すれば、自分の目的にあった製品を見つけやすくなります。もし価格や性能などを考えた結果、今好みの商品がないとしても、3Dプリンターは注目度が高いのでまだまだ新商品が投入される可能性が高いです。時間をかけて良い商品を見つけてみましょう。

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