3Dプリンターがブームになっているので、どんなものか興味があるという方は少なくないですよね。でも「材料費がいろいろとかかって高いんでしょ?」と不安になっている方も多いと思います。
確かに3Dプリンターを使うたびに材料を用意する必要があるためランニングコストは多少なりともかかります。使う材料によっては材料費が高くつくこともあります。でも家庭用の機種であれば思ったよりもずっと安く3Dプリンターを楽しむことができるんです。
この記事では3Dプリンターで一般的に使われる材料の値段を解説したいと思います。
1.ベーシックな樹脂素材:ABSとPLAの材料費
ABS樹脂とPLA樹脂は、熱溶解積層法(FDM)という造形方式でよく使われる材料です。このタイプだと樹脂に熱を加えて1層ずつ樹脂の層を積み上げていきますが、材料費は最も安い部類に入ります。
ABSとPLAの値段
ABSとPLAはメジャーな材料なので、ネットショッピングで簡単に手に入れることができます。1kgあたりの参考価格は以下の通りです。
■ABS
- 1.75mmクリア:税込1,380円
- 1.75mmイエロー、紫:税込1,860円
■PLA
- 1.75mmイエロー、ブルー:税込1,500円
- 1.75mm赤:税込1,899円
Amazonの参考価格
1kg当たりの材料で製作できるのは1kgの造形物です。高さ100mmのフィギアを作るのにはだいたい30gくらい消費します。スマホケースなら15gくらいです。仮に1㎏あたり1,500円の材料で作った場合、単純計算でフィギアが45円、スマホケースが23円くらいなので、とても安く制作できるのが分かりますね。
ただし値段はピンキリで、上で紹介しているような安価なものもあれば、1万円を超えるようなものもあります。高ければ高いほど良いというわけではありませんが、高いものは高品質に仕上がっている傾向があるので、レビューなどをよく確認して選ぶようにしましょう。
2.柔軟性が魅力!:TPUの材料費
TPUはスマホケースなどでよく使われる素材で、ABSやPLAと同じく熱溶解積層方式が対応しています。TPUは「熱可塑性ポリウレタン」のことで、ゴムのような柔軟性が特長の素材です。ゴム製のホースやサンダルのような感触をイメージすると良いかもしれませんね。TPUは比較的低価格で手に入れることができるのが魅力です。
TPUの値段
TPUもAmazonなどで簡単に手に入れることができます。Amazonでの価格を参考に、1kgあたりの費用をまとめてみました。
- 1.75mm白:税込2,399円
- 1.75mm青:税込2,599円
- 1.75mmイエロー:税込3,199円
Amazonの参考価格
色によって差が出ました。ABSやPLAほど品ぞろえが豊富ではありませんでしたが、材料費はやはり比較的安価です。色々なスマホケースを作ってみたいという方にも、費用をあまり気にせずに使える素材なのが良いですね。
3 .高精度の造形が可能!:光硬化レジン(UVレジン)の材料費
光硬化レジンは、光造形式の3Dプリンターで使われる素材です。具体的には紫外線を材料にあてて素材を硬化させ、それで何千という層を作って造形していきます。熱溶解積層方式では段々畑のような仕上がりになる場合がありますが、この方式だと滑らかな質感になります。
光硬化レジンの値段
他の素材と同じく、Amazonでの価格を参照してみました。
- 500gアクアブルー、透明イエロー:税込4,999円
- 500gレッド、クリア、透明緑:税込5,999円
- 500gグレー、ブラック、ホワイト:税込6,599円
こちらは他のものと比べると値段が数倍高いです。光造形式の3Dプリンター自体が熱溶解積層方式と比べると値段が高い傾向にあるため、ランニングコストも初期費用も高くなりがちです。ただし光造形式は先述のように仕上がりがとてもきれいというメリットがあるので、質にこだわりたい方にはおすすめです。
4.まとめ
ABSとPLA、TPUと光硬化レジンという4種類の素材を参考に材料費を見てみました。どれくらいの材料費がかかるかは、造形物のサイズや、造形物を作る時に空中に浮いた部分を支える「サポート」という部位の設定をどうするか、色は何にするかなどの要素によって変わってきます。
また途中でプリンターが動作停止するなどのトラブルがあると、やり直さなければならないので材料費がかさんでしまうこともあります。そのため最初は安価な材料費の素材で色々と作品を作ってみるとコスパが良くなるのでおすすめです。